緊張すると息が浅くなる、不安なときに胸がドキドキする、なかなかリラックスできない——そんなとき、いつでもどこでも自分でできるセルフケアが「呼吸」です。じつは呼吸は、自律神経に意識的に働きかけられる、数少ない手段だと言われています。
この記事では、なぜ呼吸が自律神経と関わるのか、リラックスにつながるとされる「腹式呼吸」の具体的なやり方、続けるコツ、そして受診の目安までを、厚生労働省などの公的情報をもとにわかりやすくまとめました。お金も道具もいらず、今日から始められる方法です。
※この記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を目的とするものではありません。つらい症状が続く・日常生活に支障がある場合は、自己判断せず神経内科・心療内科などの医療機関にご相談ください。
なぜ「呼吸」で自律神経にアプローチできるの?
自律神経は、心拍・血圧・体温・消化など、自分の意志とは関係なく体を調整している神経です。活動モードの「交感神経」と、休息モードの「副交感神経」がバランスを取りながら働いています。
この自律神経が調整している働き——心臓の動きや消化など——は、基本的に自分の意志ではコントロールできません。ところが、唯一、自分の意志で調節できるのが「呼吸」です。だからこそ、呼吸を通して自律神経に働きかけ、リラックスを図ることができると考えられています。
ポイントは「吐く息」です。ゆっくりと息を吐くとき、副交感神経が優位になりやすいとされています。逆に、不安や緊張で呼吸が浅く速くなると、交感神経が優位になり、ドキドキや息苦しさにつながりがちです。「ちゃんと吐く」ことを意識した呼吸が、心身を休息モードへ切り替えるきっかけになるのです。
「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の違い
呼吸には大きく2種類あります。
- 胸式呼吸:ふだん無意識に行っている、胸を使った浅めの呼吸。交感神経が優位になりやすいとされる
- 腹式呼吸:お腹(横隔膜)を使った深い呼吸。ゆっくり吐くことで副交感神経が優位になりやすく、リラックスにつながるとされる
「落ち着きたいとき深呼吸する」という人は多いですが、ただ大きく息を吸うだけの胸式呼吸では、リラックス効果は得にくいといわれます。大切なのは、お腹を使ってゆっくり吐く腹式呼吸です。なお、人は寝ているときには自然と腹式呼吸になっているとされ、決して特別な技術ではありません。
厚生労働省も紹介|基本の腹式呼吸のやり方
厚生労働省のメンタルヘルス情報「こころもメンテしよう」では、次のような腹式呼吸が紹介されています。道具もいらず、椅子に座ったままでもできます。
- 椅子に腰掛け、背筋を伸ばして軽く目を閉じ、お腹に手を当てる(立ったままでもOK)
- まず「いーち、にー、さーん」と数えながら、ゆっくり口から息を吐き出す(お腹がへこむのを意識)
- 吐ききったら、同じように3秒数えながら、鼻から息を吸い込む(お腹がふくらむのを意識)
- これを5〜10分くらいくりかえす
コツは「吐く」ことから始めること。息を吐くときに、イライラや疲れも一緒に外に出していくイメージを持つと、より落ち着きやすくなるとされています。最初は1日数回からで十分です。就寝前や起床時に、寝たまま行うのもおすすめです。
慣れてきたら、吐く時間を吸う時間より長めにすると、よりリラックスしやすいといわれます。「4カウントで吸い、7カウント止めて、8カウントで吐く」といった型を紹介する専門家もいますが、まずは秒数にこだわりすぎず、「ゆっくり、長く吐く」ことだけ意識すれば大丈夫です。
呼吸法を続けるコツ・取り入れるタイミング
呼吸法は、時間や場所を選ばず、思い立ったときにできるのが最大の利点です。次のようなタイミングに取り入れると、習慣にしやすくなります。
- 寝つきが悪いとき、布団の中で
- 仕事や家事の合間、気持ちを切り替えたいとき
- 緊張・不安・イライラを感じたとき
- 朝起きたとき、夜寝る前のルーティンとして
うまくできないと感じるときは、仰向けに寝て行うとお腹の動きを感じやすくなります。回数を少なくして始め、慣れたら徐々に延ばしていきましょう。「完璧にやろう」と気負わず、心地よい範囲で続けることがいちばんのコツです。
呼吸+体を動かす習慣で、もっと整える
呼吸法は単独でも役立ちますが、「ゆっくりした動き」と「呼吸」を組み合わせると、より取り入れやすくなります。その代表がヨガです。ヨガは、体を動かしながら吐く息を意識するため、呼吸法と運動を自然に両立できる方法として知られています。とはいえ「一人だと呼吸も動きも自己流になって続かない」という方も多いもの。そんなときは、自宅でインストラクターのレッスンを受けられるオンラインヨガという選択肢があります。
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呼吸を意識しながら体を動かすヨガは、リラックスの習慣づくりに取り入れやすい方法のひとつです。SOELU(ソエル)なら、自宅にいながら、呼吸を意識したリラックス系のレッスンや、初心者向けのやさしいプログラムを選べます。決まった時間に予約することが、習慣化のきっかけになる方もいます。体調に不安がある場合は無理をせず、つらい症状が続くときは医療機関にご相談ください。
こんなときは医療機関へ相談を
呼吸法はあくまでセルフケアのひとつです。次のような場合は、呼吸法で様子を見ず、医療機関に相談してください。
- 動悸・息切れ・めまい・強い頭痛がくり返す、または急に強くなった
- 息苦しさが強い、過呼吸をくり返す
- 気分の落ち込みや不安が強く、つらい状態が続いている
- つらい症状で日常生活に支障が出ている
- セルフケアを続けても改善しない、悪化している
自律神経の不調は、まず神経内科・心療内科が相談先の目安です。息苦しさや動悸が強い場合は、背景に体の病気がないか内科で確認することもすすめられます。気分の落ち込みが強い場合は心療内科・精神科に相談してください。「気の持ちよう」と我慢せず、つらいときは専門家を頼りましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 呼吸法で自律神経の乱れは治りますか?
呼吸は自律神経に意識的に働きかけられる手段とされ、リラックスにつながると考えられていますが、「呼吸法で必ず治る」と保証できるものではありません。あくまでセルフケアのひとつと考え、つらい症状が続く場合は神経内科・心療内科などの医療機関に相談してください。
Q. いつ・どのくらいやればいいですか?
厚生労働省の情報では5〜10分くりかえす方法が紹介されていますが、最初は1日数回・短時間からで十分です。寝る前や起床時、緊張したときなど、思い立ったときに行いましょう。続けやすさを優先してください。
Q. 吸うのと吐くの、どちらが大事ですか?
「吐く息」です。ゆっくり長く吐くときに副交感神経が優位になりやすいとされています。まずはしっかり吐ききることを意識すると、自然に深く吸えるようになります。
Q. やっていて苦しくなります。大丈夫ですか?
無理に深く吸おうとすると、かえって苦しくなることがあります。深く吸うことより「ゆっくり吐く」ことを意識し、心地よい範囲で行ってください。息苦しさが強い・過呼吸をくり返す場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。
まとめ|「ゆっくり吐く呼吸」を、今日から
呼吸は、自律神経に自分で働きかけられる数少ない手段とされています。お金も道具もいらず、いつでもどこでもできるのが大きな魅力です。今日からできることとして、次を意識してみてください。
- お腹を使った腹式呼吸で、「ゆっくり吐く」ことを意識する
- 厚労省も紹介する「3秒吐いて3秒吸う」を5〜10分、まずは1日数回から
- 寝る前・緊張したときなど、生活の中に取り入れる
ただし、動悸・息苦しさ・強い頭痛が続く、気分の落ち込みが強い、生活に支障が出ているといった場合は、我慢せず神経内科・心療内科などの医療機関に相談してください。呼吸を味方につけて、無理なく心と体をいたわっていきましょう。
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この記事について
この記事は、整体・ボディケア分野の知見をもとにBody Reset Lab編集部が作成しています。一般的な健康情報の提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。つらい症状が続く場合や不安がある場合は、神経内科・心療内科などの医療機関にご相談ください。
主な参考情報:厚生労働省「こころもメンテしよう」(腹式呼吸)、厚生労働省 e-ヘルスネットほか


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