過敏性腸症候群(IBS)かも? 検査で異常なしのお腹の不調が続く女性へ|原因・タイプ・受診の目安

お腹・胃腸

「ストレスがかかるとお腹が痛くなる」「下痢と便秘をくり返す」「通勤電車や会議の途中で急にお腹が不安になる」——検査では異常がないのに、こうしたお腹の不調が続いているなら、それは「過敏性腸症候群(IBS)」かもしれません。

過敏性腸症候群は、日本人のおよそ10人に1人が悩んでいるとされる、決して珍しくない病気です。特に20〜40代の若い世代や女性に多くみられます。「検査で異常がないから気のせい」と言われてつらい思いをしている方もいますが、IBSは気のせいではなく、医学的に説明できる体の状態です。この記事では、IBSとはどんな病気か、原因やタイプ、セルフケアと受診の目安、そして腸内環境との関わりまでを、日本消化器病学会のガイドラインなどをもとに整理しました。

※この記事は一般的な健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を目的とするものではありません。お腹の不調が続く場合は、自己判断せず消化器内科などの医療機関にご相談ください。


過敏性腸症候群(IBS)とは?

過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)は、内視鏡検査や血液検査で腸に異常が見つからないのに、腹痛や便通の異常(下痢・便秘)が数ヶ月以上続く「機能性腸疾患」のひとつです。

「異常なしと言われたのに、症状は続いている」という思いから、いくつもの病院を受診する方も少なくありません。けれど、IBSは腸の動きや、腸の感じ方(知覚)が敏感になることで起こると考えられており、「気のせい」ではなく、医学的に説明できる症状です。日本人の約10〜15%が抱えているとされ、特に20〜40代の若い世代や女性に多くみられます。


IBSのタイプ

IBSは、便の状態によって主に次のタイプに分けられます。自分がどのタイプに近いかを知っておくと、受診のときにも役立ちます。

  • 下痢型:急にお腹が痛くなり、下痢をくり返す。通勤・通学や会議など、トイレに行きにくい場面で不安が強まることも。
  • 便秘型:便が硬く、出にくい。お腹の張りや腹痛を伴うことが多い。
  • 混合型:下痢と便秘を交互にくり返す。
  • 分類不能型:上記にはっきり当てはまらないタイプ。

いずれのタイプも、排便すると症状が和らぐ、ストレスがかかると悪化する、といった特徴がみられることがあります。


なぜ起こる? 「脳と腸のつながり」とIBS

IBSのはっきりした原因はまだ完全には解明されていませんが、大きく関わっているとされるのが、「脳と腸の連携(脳腸相関)」の乱れです。

脳と腸は、自律神経などを通じて互いに影響し合っています。強いストレスや不安があると、その信号が腸に伝わって動きが乱れ、腹痛や下痢・便秘が起こる。さらに、お腹の不調そのものが新たなストレスになり、悪循環になる——こうした仕組みが関わっていると考えられています。「大事な場面の前になるとお腹が痛くなる」という経験は、この脳腸相関のわかりやすい例です。

また近年は、腸内細菌(腸内環境)の乱れがIBSに関わっていることもわかってきており、IBSに関わる腸内細菌を見つける研究が盛んに行われています。ストレス・食生活・腸内環境など、複数の要因が重なって起こると考えられています。


見逃さないで|こんなときは必ず受診を

IBSは命に関わる病気ではありませんが、似た症状を示す別の病気(炎症性腸疾患や大腸がんなど)を見分けることがとても大切です。次のような症状がある場合は、IBSと自己判断せず、必ず消化器内科などを受診してください。

  • 血便が出る、便に血が混じる
  • 原因不明の体重減少がある
  • 発熱を伴う
  • 夜間、眠っている間も症状で目が覚める
  • 50歳以降で初めて症状が出た、大腸がんの家族歴がある
  • 貧血を指摘された

これらは、IBS以外の病気のサインのことがあります。逆にいえば、検査でこうした病気がないことを確認できれば、安心してIBSの対策に取り組めます。「ただのお腹の不調」と放置せず、一度きちんと調べてもらうことが、遠回りのようで近道です。


IBSの治療とセルフケア

IBSは、生活習慣の見直しと、必要に応じた治療で、症状をコントロールしながら付き合っていける病気です。

医療機関での治療

消化器内科では、症状やタイプに合わせて、腸の動きを整える薬、腸内細菌のバランスを整える整腸剤(プロバイオティクス)、腹痛を抑える薬、下痢止めなどが使われます。ストレスが強く関わる場合は、抗不安薬・自律神経調整薬・漢方薬が用いられることもあります。どの治療が合うかは、医師が状態を診て判断します。

食事のセルフケア

1日3食、規則正しくバランスのよい食事を心がけましょう。暴飲暴食や寝る前の食事は避け、油っぽいもの、アルコール、香辛料、炭酸飲料、コーヒーなど刺激の強いものは控えめに。十分な水分をとることも大切です。自分の症状を悪化させる食べ物を、食事の記録から見つけていくのも役立ちます。

ストレスとの付き合い方

IBSは心理的ストレスが引き金になることが多いため、自分なりのリラックス方法を持つこと、十分な睡眠をとること、適度に体を動かすことも、症状の管理に役立ちます。完璧を目指さず、「症状とうまく付き合う」という気持ちで取り組むことが、かえって悪循環を断つことにつながります。


腸内環境を見直すという視点

IBSには腸内細菌(腸内環境)の乱れが関わっていることがわかってきており、整腸剤(プロバイオティクス)が治療に使われることもあります。腸内環境を整えることは、IBSを「治す」ものではありませんが、お腹の調子と向き合ううえでの一つの視点になります。

発酵食品(ヨーグルト・納豆・味噌など)や食物繊維を意識した食事は、腸内環境を整えるうえでの基本です。あわせて、「自分の腸内環境が今どうなっているか」を知ることも、食事やセルフケアを見直すきっかけになります。最近は、自宅で採便して腸内フローラ(腸内細菌のバランス)の状態を調べられる検査サービスもあり、自分の腸の状態を客観的に知る方法のひとつとして活用する人が増えています。腸内環境の状態を知ることで、どんな食事を心がけるとよいかのヒントが得られることもあります。

ただし、こうした検査は医療機関での診断・治療に代わるものではありません。お腹の不調が続く場合や、前述の受診が必要なサインがある場合は、まず消化器内科を受診してください。

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「自分の腸内環境が今どうなっているか」を知りたい方には、自宅で採便して腸内フローラの状態を調べられる検査サービス「chatFLORA(チャットフローラ)G」のような選択肢もあります。腸内細菌のバランスを知ることが、食事やセルフケアを見直すヒントになることがあります。検査は医療機関での診断・治療に代わるものではありません。お腹の不調が続く場合は、まず消化器内科にご相談ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 過敏性腸症候群は何科を受診すればいいですか?

消化器内科が相談先です。内視鏡検査などで、似た症状を示す別の病気がないかを調べたうえで、IBSの診断やタイプに合った治療を受けられます。血便・体重減少・発熱などを伴う場合は、早めに受診してください。

Q. IBSは治りますか?

IBSは慢性的な病気で、完全に治すことが難しい場合もありますが、適切な治療と生活管理によって症状をコントロールし、生活の質を高めていくことができます。ストレスや食生活などにより再発することもあるため、「うまく付き合っていく」という視点が大切です。

Q. ストレスが原因と言われましたが、気のせいということですか?

いいえ、気のせいではありません。IBSは、脳と腸の連携(脳腸相関)の乱れや、腸の知覚過敏など、医学的に説明できる仕組みで起こります。ストレスは引き金の一つですが、「心の弱さ」や「気の持ちよう」の問題ではありません。つらい症状は、適切なケアの対象です。

Q. 腸内環境を整えればIBSは治りますか?

腸内環境はIBSに関わる要因の一つと考えられており、整腸剤が治療に使われることもありますが、「腸内環境を整えれば治る」と断定できるものではありません。食事やセルフケア、必要に応じた医療機関での治療を組み合わせて、症状と付き合っていくことが基本です。お腹の不調が続く場合は、まず消化器内科に相談してください。


まとめ|「検査で異常なし」のお腹の不調と向き合う

過敏性腸症候群(IBS)は、検査で異常がないのにお腹の不調が続く、身近な病気です。脳と腸の連携の乱れや腸内環境など、複数の要因が関わると考えられ、決して「気のせい」ではありません。大切なのは次の点です。

  • IBSは医学的に説明できる病気で、日本人の10人に1人が抱える身近なもの
  • 血便・体重減少・発熱などがあるときは、似た病気の除外のため必ず受診を
  • 食事・ストレス・腸内環境を見直しながら、症状とうまく付き合っていく

「検査では異常なし」と言われても、つらい症状があるのは確かです。一人で抱え込まず、消化器内科で相談しながら、自分のお腹と付き合う方法を見つけていきましょう。

この記事について

この記事は、整体・ボディケア分野の知見をもとにBody Reset Lab編集部が作成しています。一般的な健康情報の提供を目的としており、診断・治療に代わるものではありません。お腹の不調が続く場合や不安がある場合は、消化器内科などの医療機関にご相談ください。

主な参考情報:日本消化器病学会「機能性消化管疾患診療ガイドライン2020-過敏性腸症候群(IBS)」、各消化器内科専門医療機関の公開情報ほか

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